担当患者
実習先の先生に挨拶をし
一日の業務スケジュールをさらっと聞き
すぐに現場に入った。
先「2回目やろ?じゃどんどん臨床みてこうか?」
先生は淡々と概要的な部分は終わらせて、現場に入る。早いなぁとも思ったが現場優先なので当然か。
患者は目まぐるしく変わっていく、とある患者が来ると
「今日から担当になる○○さんね。よろしく!」
「じゃ、評価やってね」
と言い、いきなりバトンタッチ。おいおい何も聞いてないぞ。。どうする。
冷や汗ダラダラだった。
とにかく、何かしなきゃ。
自「身体動かしてもよろしいですか?、、」
先「はい、ストップー。色々抜けとるよ〜。まずは、自己紹介しなきゃね。」
あぁそうだった。頭の中真っ白でわかんなくなってた。
自己紹介をすまして、これから体を動かしても良いか?と再度聞く。
が、目は開けているものの、反応らしきものが返ってこない。どうすればいい?
自「先生、反応が、」
先「うん、どうだろう?ヒントは与えないよ。まず、どうすればいい?」
自「・・・・・」
頭が真っ白だった。コミュニケーションがとれない方が担当となってしまった。
今までの経験が通用しない。。
先「ま、そんなところか。今日はいいよ。後俺やるから見ててね」
そう言われると場所を先生とチェンジした。
2回目の実習
3年生の治療学は苦労はしたが様々な先生方によるサポートのおかげでなんとかクリアすることができた。
試験が終わればまた現場での実習が待っている。
次も家から通える所だったが電車は始発じゃないと間に合わない。
実習させてもらうんだからそんなもんだ。
一年前に受けた実習で学んだ事を生かそう。病気中心じゃなくてその人自身を見て評価する。そうやって教わった事を実践するしかない。
不安や緊張は常に纏わりつく環境。これも作業療法士になるための一つの道筋だ。
そうやって自分に言い聞かせながら常に実習へ向かった。
一つ乗り越えてるから2回目の方が少し安心感ある自分もいる。
しかし、今回の実習も思い知らされることになる。。。
順調に行くために
先生からの説明を受けて私は安心して勉強に打ち込めた。とても流れもわかるし理論的な思考が養えるからだ。だから、安心して今の方法で勉強できる。
じゃあ全て順調に進んでいけるのか?というとそうでたもなかったりする。
関連付けるためには理解をしなければならない。難しいものであれば容易に理解することはできない。結局時間がかかるところはかかる。それは仕方がないと思う。
でも、理解が遅いと結局意味がないじゃん。と思うかもしれないが、こちらもしっかり勉強して勉強して繰り返される事で理解力もついてくる。
だから、どんな疑問がでたとしても頭の回転が弱らないようにスグに調べて関連付けて覚えるというスタンスを取ると楽になってくるだろう。
楽して試験に合格なんてできないと確信している。一歩一歩進んでいくことこそが本当に近道だと思う。以前にも書いたがテストを乗り越えるだけの勉強は将来セラピストになったとき何ら役に立たない。説明がしっかりできないからだ。
順調に進む、というのは一部の天才を除いて、皆沢山の努力の積み重ねが次へつながると思う。
一人一人の特徴
最初から色々勉強の仕方から何から教えてくれれば良いのに。
とある、先生も含めたクラスでの飲み会があった。その時に聞いてみた。
自「先生は何で早く教えてくれなかったんですか?そしたら、勉強もずっと前から楽に出来たと思うんですけど、、」
先「あーあれか、うん、そうだな。じゃあ逆に早目に教えたとするぞ。お前意味わかって使えるか?多分ダメだと思うぞ。
自「んー、、」
先「いいか、物事の考え方全てを話すわけではないが、自分が最大限にがんばって行き詰まってこれじゃダメだって実感することが大事なんだ。俺は教員という立場からお前達一人一人の特徴を見てる!その上でアドバイスをする。お前はわかりやすかったけどな。顔にすぐに出る。ははは笑」
自「はぁ、、、なるほどです」
先「でもな、よく頑張ってるとは思う。我慢しなきゃいけないし、強いストレスもあると思う。結局最後は頑張れとしか言えないが、この学校卒業した先輩達も同じような道を通ってきてる。そこにしっかりと寄り添って共に課題となってる所を考えていくのがこの学校の特色だろうな。いかん、話し過ぎたな。まぁがんばれ❗️笑」
飲み会の席だったが、安心した。学校では自分の何が悪かったのかわからないまま、いきなり怒られる事もあったり、質問をしても「質問の前に何かあるでしょ?」とか言われたり。凄く考えさせられることが多かった。いまだにわからない事もあるけど、全部が生徒のため、先生達みんなが生徒にストレートに伝えたりはしないが暖かさをどこか感じた。
勉強を一生懸命やるのは勿論の事、実習ではまだまだ自分の人間性に至らない部分があったのもよくわかる。頑張って卒業までは約一年半。そしたら、自分はセラピストだ。自分は本当に理想とする一セラピストになれるのか、まだわからない。
ただ、この学校に来てよかったのはそういった本当に人を大事にするってところかもしれない。
マインドマップ
先「また再試験まみれになってきてるな!大丈夫か?」
自「勉強は以前教えて頂いた方法で何とかやって覚えるんですけど、こうテストが立て込んじゃうと中々時間との勝負になっちゃって、、少し焦ってます何か良い方法ってあるんでしょうか?」
先「そうだなぁ。はっきり言って関連づけて覚えるのが一番手っ取り早い。後は語呂合わせのようなやつとかね、、ん〜。あ!そうか、『マインドマップ』って知ってるか?俺もよく勉強する時はやってみたんだよ。」
『マインドマップ』?何だそれ?
先「ちょっと紙とペンあるか?そんな難しくないよ。ちょっと貸して」
先生は徐に何かを描き始めた。なんだこれ?
先「例えば、とある病気があったとする。紙の中心に病気の名前をかく。これについてどれだけの言葉を書き綴れるかが大事だ。単語レベルで書けば楽だ。後は関連づけるように線で結んでいく。するとどうだろう?例えば初めは『病気』という名前だけだったが、病理→症状→対処→評価→治療→動作指導→、、、みたいなね」
凄い❗️あっという間に治療まで繋がった❗️
先「楽だろ。これを繰り返せば思考も刺激されて、単語を聞いただけで反射的にこの流れを思い出す事ができる。多分お前にはあってるんじゃないかな?やってみな」
自「ありがとうございます!!」
さっそく自宅に帰りテスト勉強。
凄い!効果、効率共に段違いだった。
先生達は最初から教えてくれれば良いのにな。そう思った。
3年生
順調かどうかわからないが3年生になった。
私が通った養成校は4年生の学校だった。
つまり半分まで来たと言う事だ。正直自分にしては出来過ぎてしまっているようにも感じた。
2年生は主に人を見るための「評価学」がメインだが3年生は「治療学」が主となる。
評価学だけでも訳がわからないにも関わらず治療なんて、本当にできるのだろうか?
半信半疑だった。
しかし、先行く先輩達も通ってきた道だ。俺にだって行けるはずさと言い聞かせていた。
作業療法士の治療は作業を介した治療が多くなりやすい。勿論、運動療法や装具学等もあり様々だ。動作指導や、麻痺のある患者に対しての動きの練習、どれもこれも複雑に感じた。やはりここまで来ると内容も濃い。
だけども丁寧に一つ一つ勉強し理解していけば大丈夫なはず。
勉強の仕方についてレクチャーして頂いた事で勉強は非常に効率が良くなった。しかし、テストが多くなるとまた間に合わないくらい忙しかった。時間が欲しい。。そんな時にまた先生と話をしている矢先にまた勉強方法の効率についてレクチャーを受ける。
実習終了
一ヶ月程の実習は終盤に差し掛かった。
繰り返し担当セラピストとフィードバックを通し何とか実習はある程度の形になった。
担当患者の目標も自分が当初思い描いていたものとは全く別物になった。これが教科書では学べず、実習でしか学べない感覚なんだろう。
自分の実力は本当にちっぽけなものだと改めて痛感したし、まだまだ課題は多くある。もっと学びたいなと思っていたが実習は最終日。
最後のフィードバックにて
先「実習お疲れ様。がんばったね。まーとりあえず成績はこんな感じだね」
冊子を出される。少し緊張しながら目をやる。
合格の○が❗️
ホッとした。
自「本当にありがとうございました😊自分がまだまだ吸収しなくちゃいけないのがあります。本当に勉強になりました。」
先「いやいや、君見てて中々面白かったよ。典型的だったし。やっぱし注意した事を素直に守ってくれたのが良かったよ。」
自「はぁ、、?素直にですか。。逆に守らない人がいるんですか?」
先「そりゃいるよ。自分が言ってることの方が正しいみたいに反発してくる子。まぁこういった場合に関しては目線がどうかとか、科学的かとか色々要素みて判断するけどね。」「ただね、俺から一つ言いたいのはこの仕事は他職種と共に働く機会が多いんだ。だから、俺が言ってるのは正しい❗️って言い切っちゃうとさ、、チーム医療だからね。みんな同じ共通認識をもってなきゃいけないよ」
あ〜そうだよな。作業療法士として働くのはいいとして。例えば病院に入れば必ず医師、看護師、介護士、、などなど沢山の職域の方々と共に働かねばならない。
まだまだ見切れてない事は沢山だ。次実習に行く時の課題かな?
こうして挨拶をし実習は無事に終了した。
学校に戻り、無事に終了した事を教員に報告。
先生達もホッとした顔だった。先生達も心配してくれてたんだろうな。そう感じた。